大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)1927 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鵜野重次郎上告趣意第一点について。

按ずるに、昭和二二年農林省令一〇三号食糧管理法施行規則一条において、政府

に売渡すべき米麦等の数量、即ち所謂供出割当量につき、通知の外、公示を命じて

いる精神は、当該市区町村部落における供出義務者全員の各供出割当量を一般に公

知せしめ、もつてその割当が穏秘の裡情実等に流れず公正妥当に行われることを期

したものと解すべきであるから、その公示方法につき法規上特別の定めがない以上

は、右精神にもとらない方法に依拠すれば足るものと解するを至当とする。そして

本件公示の方法については原判決採証の証人A(被告人居村村長)の公判調書の供

述記載によれば「各人の割当数量がきまつて之を公示したのは昭和二三年一月中で

はなかつたかと思う。尤も公示方法として特に掲示板に公示しなかつたが、正式に

きまつた各個人の供出割当表を帳簿に記載しそれを誰でも見られるように役場に備

付けて置き何時でも部落民の閲覧に供していたのである」とあつて、右によれば、

公示方法として前説示の精神にもとるところはないものと認むるを相当とするから、

論旨は到底採用に値いしない。

同第二点について。

所論の被告人に対する供米割当通知については、原判決にその事実が判示されて

おり、その挙示証拠によれば、右通知は昭和二三年二月一〇日頃居村々長から農事

実行組合長を通じて被告人に対してなされたことが認められるから、適法な通知の

なかつたことを理由とする論旨は採るを得ない。次に食糧管理法及び前示同法施行

規則により市町村長のした米麦等の政府供出割当数量の決定は、たとえその割当に

不公正を疑わしめるものがあつたとしても、同規則一条三項に定める改訂手続がな

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されない限りは、当該割当数量の供出義務を免れるものではない。そして本件供出

割当数量決定に不公正ありとの被告人側の主張に対し、原判決が特にその点につき

判断を示さなかつたとしても何等の違法はないのである(旧刑訴三六〇条二項参照)。

それ故論旨は何れも理由がない。

よつて、刑訴施行法二条旧刑訴法四四六条に従い、裁判官全員一致の意見によつ

て、主文のとおり判決する。

検察官 田中巳代治関与

昭和二六年五月四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官小谷勝重は出張につき署名押印することができな

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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